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CEO田牧語録⑬ ~デジタル化が成長戦略の原動力~


 「経済財政運営と改革の基本方針」、通称、骨太方針は、毎年6月ごろに閣議決定される。

 2021年6月18日閣議決定の骨太方針2021では、日本の未来を拓く4つの原動力として、グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策を掲げ、次なる時代をリードする新たな成長の源泉として位置付けている。

 骨太方針は、経済運営の課題や次年度の予算編成、税制のベースになるものであり、将来の政策の基礎であり、経営者に必須の情報といえる。

 一部抜粋すると、グリーン成長戦略では、グリーンイノベーションに挑戦する企業への支援、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制等があげられる。デジタル化の加速では、デジタル・ガバメント確立と官民インフラを5年で作り上げること、デジタル投資の税制支援、デジタル人材の育成、サイバーセキュリティ対策等を掲げている。そのほか、防災、観光、教育、外国人材の受け入れ、少子化対策など、あらゆる事業に関連した成長戦略の記載がある。



 骨太方針では、4つの原動力を支える基盤づくりとして、デジタル化時代の質の高い教育の実現、イノベーションの促進、女性の活躍、若者の活躍、リカレント教育※¹等を掲げ、これらに共通するキーワードはデジタル化である。


 現在、あさひ会計グループでは、中小企業のDX支援、経営者向けDXセミナー、また将来のDX化に向けて、すそ野拡大のため学生向けの無料RPAセミナーも開催している。その背景には、自社で実践している有効なDX事例を多くの中小企業にも普及させたいという思いとともに、デジタル化の大きな成果獲得には自社のみならず、取引先のデジタル化も必要である、という問題があるからである。デジタル化は、一つの企業の取り組みで達成されるものではなく、常に取引先のデジタル化の状況に左右される。デジタル化の大きな恩恵を相互に受けるためには、多くの事業者、社会全体でのDX化の取組が必須であり、少数の事業者のみのDX化では真の成果に到達し得ない。


 DX化は新たなサービスも創造する。株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所※²(以下、ロボ研)でのRPA導入支援先のある産業廃棄物の収集運搬業者では、電子マニフェストに関して、RPAと社内開発システムを活用した、業界ルールを変えるような新たなITサービス展開を進めている。また、ロボ研でもAIベンチャー企業と新たなAIサービスの研究を行っている。

 骨太方針2021にも、「ともすれば硬直的とも言われてきた日本経済の構造変化、とりわけ若い世代やベンチャーをはじめとする若い企業を中心に、過去の成功大変にとらわれない自由な発想による変化への挑戦が生まれており、これまで進められなかった課題を一気に進めるチャンスが到来している。」とある。

 大きな変革の時代、過去の成功体験はむしろ足かせであり、前例のないチャレンジ、前提のない遊び心が画期的なイノベーションを生んでいる。


「Beyond」2021年8月号

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※1 教育、就職、引退という伝統的な3ステージではなく、
   就職後も学びと活躍を相互に繰り返すマルチステージモデルを想定した
   働きながら学ぶ、学校以外の学びも含めた教育システム

※2 中小企業向けRPA導入支援、DX支援を行っている。 
   Microsoft partner 企業であり、Microsoft365、Power Automate等販売代理店






 
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